こんにちは。元公立小学校教員歴15年の、さとさとです。
2020年度から、小学校でも英語教育が必修化されました。
それにともない、幼稚園や保育園でも英語教育をしていたり、子ども向け英会話の習い事が人気だったりと、小さいころから英語に触れる機会が増えてきています。
では、子どもが英語嫌いにならないようにするためには…
小さいうちからネイティブの英語に触れさせてあげること!
それも、楽しく!
もし、すでに英語が始まってしまっていて、苦手意識をもっているならば、できる限り早く!
今回は、小学校ではどのように英語教育が行われているのか、また、親としては就学前にどのようなことをしておいたらいいのか、紹介していきたいと思います。
1.小学校ではどれくらい英語を勉強するの?
小学校1・2年生
小学校1・2年生は、英語は必修ではありません。
しかし、3年生からは必修なので、その前に少しでも英語に触れさせておこうと年間5~10時間程度は行っている学校が多いです。
小学校3・4年生
小学校3年生からは、英語が必修になります。
3・4年生は「外国語活動」という名前で、週に1コマ(年間35単位)行うことが、学習指導要領で定められています。
小学校5・6年生
小学校5・6年生では、「外国語」という”教科”になります。
週に2コマ(年間70単位)行うことが、学習指導要領で定められています。
2.実際に英語の授業をしていて感じたこと
僕が、実際に授業をしていて感じたこと。
それは、「できる子とできない子の差が大きい」ということです。
もちろん、国語や算数など他の教科でも差はありますが、英語に関しては特に「意欲」の面での差が大きくなるように感じます。
英語の授業では、多くの自治体で、ALT(Assistant Language Teacher)といって、外国語を母国語とする外国語指導助手の先生が授業に入ります。
建前としては、担任または英語専科の先生が授業を進め、ALTはその補助をするということになっていますが、多くの場合はALTが授業を進めます。
ALTの多くは外国人です。
(「英語なんてできないよー」という先生もいますし、そもそもALTと打ち合わせをする時間もほぼないので、ほとんどがALTに「お任せ」する形になってしまいます。英語専科の先生がいる小学校では、先生主導で進められているところもありますが…。)
そんな英語の授業ですが、英語が少しでも分かる子とそうでない子とでは、どうなるでしょうか。
少し想像してみてください。
外国人の先生が教室に入ってきて、英語で話し始めます。
簡単なあいさつをして、日にちや天気を聞いてきます。
そのまま、その日の授業内容に入っていきます。
(ここまで全て英語です。)
授業中も、日本語はほぼ使われません。
日本語で説明しなくても分かるように、イラストなどを黒板に貼ったりジェスチャーで伝えたりしますが、それを頑張って理解できるのは、いわゆる「できる子」や、「英語を知っている子」です。
「英語なんて、まったく分からないよー!」という子にとっては、突然外国人が教室へ入ってきて、訳の分からない言葉で話され、何を聞かれているのかも分からないのに、周りの子たちは楽しそうに受け答えしている。
そんな状況です。
意欲の面で差が大きくなるのは当然です。
しかも、最初に苦手意識をもってしまったら、意欲もなくなるし、内容の理解なんてできるわけがないのです。
逆に、習い事などで英語に触れている子からすると、自分の知っていることが出てきてとても楽しい時間でもあるわけです。
僕の体感としては、クラスの子を4分割すると、
- 英会話や通信教育などで英語を知っていてすごく好き
- 英語は知らないけど歌とかゲームをたくさんやるし、なんとなく英語が分かるから好き
- ゲームや歌は楽しいけど、英語はよく分からないからあまり好きではない
- 英語が全然分からないし、ゲームも何を言っているのか分からないから嫌い
と分けられるように感じます。
3.就学前に何をしておけばいい?(始まってしまったら?)
では、小学校で英語の授業を受けるようになるまでに、どんなことをしておいたらいいかお伝えします。
(もうすでに英語の授業が始まっていて苦手意識をもっている子でも、今からでも始めることをオススメします!)
1.本物の英語に触れる機会をもつ
これが大前提です。
ALTの先生が話す英語はもちろんネイティブの発音です。
レモンは「レメン」、メロンは「メルン」って感じでカタカナ英語とは全然音が違うんですよね。
ですから、親が一生懸命「アップル」「バナナ」「キウイ」「レッド」「ブルー」「イエロー」などと教えても、実際の発音は全然違うわけで、カタカナ英語しか知らない子からすると「えっ?」となってしまうんですよね。
2.テレビを活用する
Eテレの「えいごであそぼ with Orton」は、楽しみながら英語に触れられる番組です。
ちょっと前に出演していたきらりちゃんが話題となり、バラエティー番組にもよく出ていましたね。
(今は出演者が変わり、きらりちゃんも出ていませんが…代わりに厚切りジェイソンが出ていますね。)
子ども向けとあなどるなかれ、番組内では様々な機械を使ってゲームをクリアする過程で、英語独特の発音の仕方や、口や舌の動きがよく分かるようになっています。
これは、大人が見ていても「なるほどー!」と感じることが多いです。
歌に関しては、歌詞の意味は分からなくてもいいのです。
分からなくても、我が家の子どもたちはなんとなく歌っています。
ネイティブの発音に慣れることが大切ですから。
リモコンのdボタンで選べるのですが、僕が聞き分けられないような微妙な発音でも、息子はほぼ間違えずに答えられています。
さすが、小さいころから聞いていると分かるんですかね。
朝と夕方の時間に見られないという方は、ネットでも見られますよ。
ペネロペが好きな子であれば、楽しんで英語に触れることができますね!
子どもと一緒に見るようになるまでは「男の子」だと思っていました…
「青」=「男の子」っていう古い固定観念のせいで…

3.本や図鑑を活用する
息子には、2歳の誕生日にペンでタッチするとしゃべる辞典をプレゼントしました。
これですね。

息子2歳2か月
この辞典のいいところは、一つのイラストで、日本語と英語の両方が分かるところです。
子どもは、英語が分からなくてもイラストと文字(日本語と英語の両方で書かれています)を見れば何のことだか理解できます。
しかも、スピーカーから流れてくるのはネイティブの英語なので、親が教えるよりもよっぽど本物の英語に触れることができます。
でも、せっかく「やりたい!」と思った時に、貸し借りするのはもったいない!
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4.通信教育を利用する
我が家では、息子が0歳の時から「こどもちゃれんじ」をやっています。
その中で、「こどもちゃれんじEnglish」は1年間だけやっていました。
内容も子どもの興味を引くものがたくさんあり楽しかったのですが、息子が4歳のときに「スマイルゼミもやりたい!」と言い出しまして。
こどもちゃれんじと、こどもちゃれんじEnglishと、スマイルゼミと3つもやる時間はないなあと。
スマイルゼミにも英語が入っているということで、妻と話し合った結果、「こどもちゃれんじEnglishはもういいんじゃないかな」となり、1年でやめました。
英語でしゃべるしまじろうのぬいぐるみ(我が家では「英語しまちゃん」と呼んでいます)や、ビーピー(車のキャラクター)を持ち出してきては遊んでいます。
「英語は楽しいもの」と子どもの記憶に残ったようです。
今現在、息子は幼稚園の英語教室も楽しく参加できているようで、家でもよく話してくれます。
こどもちゃれんじで出てくるキャラクターが英語名で出てきたり、結構関連しているものがあったりするので。
定期的にお試し版の教材(本物の教材の紙バージョンだったりします)も届いたりするので、意外と使えますよ。

事実、我が家も1年でやめましたが、息子は「英語は楽しい」「英語が好き」と思ってくれたので、やったかいがあったなと思います。
「楽しい」「好き」という気持ちさえあれば、今後も意欲的に学べますからね。
4.まとめ
子どもが英語嫌いにならないようにするためには、小さいうちからネイティブの英語に触れさせてあげることが大切だと伝えてきました。
それも、楽しく触れさせてあげること!
詰め込み式に「教えよう」とすれば、逆に英語嫌いになってしまう可能性もあります。
大切なのは、英語に対する子どもの「意欲」が育つように、「楽しい」と感じさせてあげることです。
やっている中でたとえ間違っていても指摘する必要はありません。
(間違いとは言わずに、「あっ、○○だねー。」と親が正しいことを言ってあげるのはいいですね。)
その間違いには、どこかのタイミングで自ら気づくはずですから。
<参考文献>
文部科学省「新学習指導要領全面実施に向けた 小学校外国語に関する取組について」
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